2004年6月7日 深澤直人氏の手にかかるとブリックパックは“バナナ”になる プロトタイプであることは分かっている。それでも、製品化の予定を聞かずにいられなかった。
4月15日から17日まで東京・港区で開催されたTAKEO PAPER SHOW 2004“HAPTIC”(大阪では5月19日、20日に開催した)。会場に一風変わったジュースのブリックパックが展示されていた。「ジュースの皮」と名付けられたその品は、ブリックパックがバナナ、キウイ、イチゴ、豆腐などのテクスチャーをそのまま着込んだような佇まい。解説用ボードにあるテクスチャーのサンプルには、多くの人がその触感を確かめようと、手を伸ばしていた。
 ●上から見ると八角形のブリックパックの形がバナナに似ていることから深澤氏が着想を得て、今回の展示会用作品が作られた。バナナの表面素材はゴムと蝋引きによる デザインしたのは深澤直人氏。「最近出てきた八角形のパッケージ構成が、バナナに似ていると思った」と、ジュースの皮を作るきっかけを笑いながら語る。「ただ、実際にものになって、ここまで似ているとは思わなかったけど」。
製品化について深澤氏は「今回のような一品製作と量産とは全く違う」と言いながらも「ただ、どこかのメーカーで出したいと言われたら、できないことはない」と楽観的だ。
バナナや豆腐はゴムでコーティングしたもの、一方、キウイは紙に毛を生やすフロッキー加工を使う。この表面処理を実現する素材や技術そのものは既に存在している。代わりになる素材も、探せばいくらでもありそうだ。
何より、深澤氏には、これまでさまざまなメーカーや工場と付き合ってきた経験がある。そこで得たのは、日本の加工メーカーや工場の技術に対する信頼。そして、実際にそうしたメーカーとやり取りしながら積み上げてきた知識と実践経験がある。……
●この記事は日経デザイン6月号の特集「垂涎素材で決める感動の商品作り 第二章感動商品編 素材の料理法で感動を演出する」からの抜粋です。全文は、日経デザイン6月号でお読み下さい。
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